クリプトン星のドルー・ゾッド将軍は、コミックよりも映画に登場したことでより有名になった。
レックス・ルーサー、ドゥームズデイのようなスーパーマンの悪役たちとは異なり、ゾッド将軍はかなり無名のキャラクターだった。
コミックでは、ブレイニアック(ドラマ「クリプトン」に登場)、パラサイトといった有名なヴィランもいるが、ゾッド将軍はブレイニアックやパラサイトよりも知名度は低かった。
Contents
『アドベンチャー・コミック』#283 (1961年4月)でのゾッド将軍の初登場
ゾッド将軍は、『アドベンチャー・コミック』#283 (1961年4月刊行)で登場したのだ。
この刊では、スーパーボーイの冒険を特集したタイトルで、スーパーボーイが初めてファントムゾーンに遭遇した話である。
アドベンチャー・コミックスとは
1935年にニュー・コミックスとしてスタートした本シリーズは、1937年の#12でニュー・アドベンチャー・コミックスに改題し、1938年の#32でアドベンチャー・コミックスとなった。
1983年に#503で終了した後、2009年にリランチし新しく始まったシリーズを挟んで、2010年にナンバリングを戻し、#516から再スタートした。再開したシリーズは、2011年の#529まで続いた。
参照元:FANDOM
アドベンチャー・コミックス #283のあらすじ
ファントムゾーンプロジェクターを含むクリプトンの武器のキャッシュが地球に落下する。
スーパーボーイはファントムゾーンの存在と、ゾッド将軍たちがなぜファントムゾーンに送り込まれたかを、精神再生装置で知ることになる。
トカゲが誤ってプロジェクターの黒いボタンを押してしまい、スーパーボーイをファントムゾーンに送り込まれてしまう。
ジョナサンケントはプロジェクターを見つけ、白いボタンを押し、スーパーボーイをファントムゾーンから解放する。
ゾッド将軍がファントムゾーンに幽閉された理由
先述のようにスーパーボーイはゾッド将軍がファントムゾーンに閉じ込められる原因を見ることになる。
ゾッド将とスーパーマンの父であるジョー・エルとは、ジョー・エルが科学者を志していた頃に知り合った。
ウェグトール星の破壊(反逆の科学者ジャックス・ウルの工作)の後、宇宙計画が廃止されると、ゾッド将軍は自分の複製ロボットの軍隊を使ってクリプトンを征服しようとした。
ゾッド将軍はクリプトンを征服しようとした罪により40年間ファントムゾーンに追放されることになった。
『クライシス・オン・インフィニット・アース』(1985年)までのゾッド将軍

「アドベンチャー・コミック」 #293で、地球外生命体のブレイングローブがスーパーヒーロー軍団をマインドコントロールしたせいで、ゾッド将軍は脱走しそうになる。
「アクション・コミックス」 #549では、ゾッド将軍はクリプトン人の敵であるヴラングに対抗して、スーパーマンを助ける。
「スーパーマンⅡ」(1980年)でのゾッド将軍
1980年に公開された『スーパーマンII』では、ゾッド将軍を演じたテレンス・スタンプの演技が映画の見どころとなった。
ゾッド将軍は、ホワイトハウスに侵入し、大統領に「ゾッドの前に跪け」と要求したのは有名な話である。
「クライシス・オン・インフィニット・アース」の直前
「クライシス・オン・インフィニット・アース」以前の残りの数年間、ゾッドとジャックス・ウル、ファオラ・ヒュー・ウルなどのファントムゾーンの収容者はファントムゾーンから脱出し、スーパーマンやスーパーガールと何度も戦い、いつも最後に敗れてゾーンに戻された。
ジャックス・ウルは、「Adventure Comics #289 (October 1961)」に初めて登場したキャラクターである。核弾頭搭載ロケットの実験中にクリプトン星の有人月ウェグトール(人口500人)を破壊し、ファントムゾーンに幽閉された。
ジャックス・ウルの目的は、核ミサイルを発射し、通過する宇宙の岩を破壊することであった。
この実験が成功すれば、ジャックス・ウルは巨大な核兵器の製造を開始し、クリプトン政府を転覆させ、惑星全体を自分の支配下に置くつもりであった。
ファオラ・ウルは美しいクリプトン人の女性で、男性に対する憎悪から強制収容所で23人を拷問して殺害したため、ジャックス・ウルに次いで長い300年の刑期を全うするためにファントムゾーンに幽閉された。
また、ファオラはクリプトンの武術であるホロ・カヌーの達人である。
「クライシス・オン・インフィニット・アース」によって世界が改編される前のゾッドの最後の登場は、「DC コミックス・プレゼンツ」 #97であった。
『クライシス・オン・インフィニット・アース』(1985年4月~)よりDCから一時的に消える
DCコミックスの編集部は、スーパーマンを最後のクリプトン人であることを強調したかった。
そのため、「クライシス・オン・インフィニット・アース」(1985年)ではスーパーガールが死んでしまう。
「クライシス・オン・インフィニット・アース」の後は、ボトル・シティ・オブ・カンドールの市民、スーパーガール、ゾッド将軍やファオラウルといったスーパーマン以外のクリプトン人はコミックに登場しなかった。
カンドールは惑星クリプトンの都市であり、惑星が破壊される前のものである。ブレイニアックにカンドールが都市ごと拉致されるまで、クリプトン星の最も重要な都市であった。
カンドールは、クリプトンの統治機関であるクリプトン評議会の本来の所在地であり、クリプトンの太陽であるラオのホログラフィック表現が特徴である。
街中には劇場、ラオの神殿、輝くピラミッドなどがあり、クリプトンのギルドごとに異なる建築様式が選ばれているため、様々なタイプの建築物がある。
クリプトン評議会は、優柔不断、行動力の欠如、革新の抑制、腐敗で悪名高い。
実際、コルン星人のブレイニアックの宇宙船が到着し、カンドールをフォースフィールドとある種の収縮光線で包んだのである。
ブレイニアックはカンドールを宇宙船の小さなボトルに入れておくのだった。
ブレイニアックは星間宇宙船にボトルで都市を保管していたが、スーパーマンは、ボトルに入った都市を取り戻したが、元のサイズに戻すことはできなかった。
『スーパーマン:ラストサン』(2006年)でDCに帰ってきたゾッド将軍
「クライシス・オン・インフィニット・アース」の続編『インフィニット・クライシス』(2005年)が出版された後、DCは2006年から2008年にかけて『スーパーマン:ラストサン』で本物のゾッド将軍を再登場させた
2006年以降は、映画、アニメシリーズ、ビデオゲームに登場している。
『スーパーマン:ラストサン』では、ゾッドは妻のアーサと従者のノンとともに、クリプトン政府に対する反乱を起こすが失敗し、ファントムゾーンに送り込まれる。
ゾッド将軍とアーサはファントムゾーンでローゾッドという子供をもうけるが、ローゾッドはファントムゾーンの影響を受けず、ゾッド将軍とアーサの脱出を助けようとします。
ローゾッドはまず地球に現れ、スーパーマンとその妻ロイス・レインに発見され、スーパーマンの養子となり、クリスと名付けられる。
ゾッド将軍はやがて地球にやってきて、スーパーマンをファントムゾーンに閉じ込めます。
『NEW52』( 2011-2016)でのゾッド将軍
2011年、DCコミックスは「The New 52」という出版イベントの一環として、多くのキャラクターをリブートする一方で、一部のキャラクターの今までのストーリーを残し、ストーリーを見直した。
『アクション・コミック』#5(2012年3月)では、ゾッドに似たキャラクターがファントムゾーンの囚人として登場し、『アクション・コミック』#13(2012年12月)ではファントムゾーンの幽霊がスーパーマンを襲っている。
ゾッドはアクション・コミックス#23.2で初めて本格的に登場する。
ゾッド将軍の経歴
ゾッドの過去が判明します。
ゾッドは科学者の両親のもとに生まれました。
彼が幼い頃、ゾッドの両親は、新しい生き物を発見するためにクリプトンの荒野に旅しましたが、ゾッドが乗っていた船が生物に襲われ、一家はジャングルに取り残される。
両親は動物に殺されたが、ゾッドはジョー・エルと兄のゾー・エルに助けられるまで1年間生き延びることができた。
成人後、ゾッドはクリプトン星で最高の兵士となり、将軍の地位を獲得した。
ゾッドは異星人シャアを憎み、シャアとの戦争を正当化するために、シャアそっくりの生物を創り、クリプトンの人々に放つよう密かに命じた。
ジョー・エルはその欺瞞を見破り、ゾッドをクリプトンの政府に引き渡した。
評議会はゾッドを反逆罪として有罪とし、彼と彼の最も近い従者であるファオラとノンをファントムゾーンに追放した。
数年後、ファントムゾーンは弱体化したことにより、囚人の一部はファントムゾーンの外に脱出してしまう。
ゾッドは地球へ移動し、サハラ砂漠に着陸したとき、ゾッドのパワーが初めて発現し、旅行者たちを残酷に殺戮した。
ゾッドはすぐにジャスティス・リーグ・オブ・アメリカに襲われたが、スーパーマンとワンダーウーマンが到着し、ワンダーウーマンがゾッドを拘束した。
ゾッドはスーパーマンをジョー・エルの息子、カル・エルとすぐに分かりました。
『マンオブスティール』(2013年)の映画で登場
2013年の映画『マン・オブ・スティール』では、スーパーマンが少し違ったバージョンで描かれています。
スーパーマンはゾッドの首を絞めるが、ゾッドはヒートビジョンを罪のない人々に向け反応する。
スーパーマンはやめるよう懇願するが、ゾッドは「絶対にやらない」と答える。
他に方法がないと判断したスーパーマンは、ゾッドの首をへし折り、殺害する。
そして、残り少ないクリプトン人の仲間を殺してしまったという苦悩の叫びを上げる。
スーパーマンが殺人を犯すという決断の是非は、ザック・スナイダー監督が一連のDC映画で行った数々の物議を醸す選択の中でも、最も熱く議論されるもののひとつであることは間違いないだろう。
「マン・オブ・スティール」のラストシーンから分かるように、殺さなければ手に負えないほどゾッド将軍の強かったことを示しています。
『インジャスティス』(2013年)でゲームへの特別出演
ビデオゲーム『インジャスティス』では、ゾッドは小さな役で登場します。
ゲーム『Injustice: Gods Among Us』と『Injustice 2』にも登場します。
前作ではプレイアブルキャラクターとして、後作では別エンディングシナリオでファントムゾーンからの脱出者として登場します。
ゲームの舞台は、スーパーマンが悪に染まって地球を支配し、残忍な独裁政権を築いたもうひとつの地球です。 スーパーマンはバットマンと対立し、他のDCキャラクターもどちらかの側につくことになる。
ゾッドは1作目のダウンロードコンテンツで、ファントムゾーンに幽閉されていたところを脱出し、すぐにクリプトン星を地球に再現しようとするお決まりの行動に出るキャラクターです。
「インジャスティス」版のゾッド将軍は、『マン・オブ・スティール』でマイケル・シャノンが演じたキャラクターをモデルにしているようです。
「Injustice 2」でもゾッドは登場するが、「Mortal Kombat」のキャラクターであるサブゼロを巻き込んだエンディングのみである。