この記事では、ラストオブアス2の感想・評価をまとめた記事を書いていきます。
ラストオブアスはパンデミックによって、文明社会が崩壊した世界が舞台です。
都会の車や信号などは完全に停止し、草木が多い茂ったビル群を馬で移動したりなど、風情を感じる美しさがあります。
その他にも、日光の光線が木々を差し込む景色や、薄暗い地下鉄の内部で赤々と光る発煙筒など、雰囲気作りがバツグンのゲームとなっています。
このように、グラフィックや背景の雰囲気作りは抜群のゲームですが、ストーリーはかなり「人を選ぶもの」になっています。
ラストオブアス2の感想・評価まとめ
ここからは早速ラストオブアス2の感想・評価をまとめた記事を書いていきます。
結論から言うと、キャラクターの表情のグラフィックやフィールドのグラフィックはPS4至上最強ですが、ストーリーのテンポは悪く、ストーリーは非常に暗くて惨いです。
またレズビアン同士の恋愛など、ポリコレの描写が過剰すぎるように感じました。
ストーリーにしろ、ポリコレにしろ、「製作者の自己満足」に陥っており、本当にプレイヤーが求めているものは何かを見失っているように感じました。
ラストオブアス2の基本的な操作・設定の感想
オートセーブに対応しているが・・・
基本的にはオートセーブですが、死んでしまうと時々アイテムを回収する前まで戻されてしまうことがあるので、念のためセーブをしていました。
基本的にはチェックポイントを通過する度にオートセーブが行われますが、オプションボタンからセーブ画面を開けるだけで、オートセーブしてくれます。
オートセーブは昔のものから消えていってしまうので、残しておきたいセーブポイントは手動セーブをしておく必要があります。
字幕と難易度
ラストオブアス2は字幕のON・OFFが切替可能であり、難易度は5つあって、ゲーム開始後でもいつでも難易度を変更することができます。
私は難易度はノーマル(通常の難易度)でゲームを開始しましたが、極端に難しいということはありません。
ノーマルだと、フィールド上にアイテムが置いてある確率が高まるので、弾切れで困るということはほとんどありませんでした。
確かに1ステージごとに何回かは死ぬことがありますが、突破する方法が見いだせずに積むなんてことはなく、何回かチャレンジすると攻略できるちょうどいい難易度でした。
もし死んでしまってもロードが鬼速い(私が過去に遊んだことがるゲームの中で一番ロードが速い)ので、ストレスなく死んだ直前からリトライすることができます。
ロードは鬼速いので、ロード画面のヒントを見ている時間を確保するためか、〇ボタンを押すことでプレイ画面に戻るという仕様になっています。
オープンワールド?
結論を言うとオープンワールドではありません。
どのマップも一本道になっており、どんどんマップを進んで行ってストーリーが進んでいく形式です。
マップ上のフィールドは、自然のオブジェクトの形や明るさ、血痕などから、「こっちに行ったら正解だな」というのが何となく分かるようになっているので、迷子になることはありません。
マップは章(チャプター)ごとに別のものに(新しいマップに)変わります。
マップの先に進んでいくと、高い崖から降りたり、途中で扉が閉まったり、瓦礫が倒れてきて来た道が塞がれたりして、元の道に戻れなくなることもあります。
フィールドの探索
しかしアイテムやコレクション要素の回収のため、寄り道は存在していますが、フィールドをグルグル回っていると、フィールドの全体がどんな形か掴めるようになっています。
フィールドは様々で、暗い所ではR3を押し込むことで胸元のポケットライトをつけることができます。
ラストオブアス2のフィールドは、ときに進むべき道が分からなくなる時がありますが、そのようなときはL3押し込みで「ヒント」が見れるようになります。
その他にも、バディがいてくれるステージでは、バディがストーリー上行くべき進行方向にいてくれたり、進み方のヒントを出してくれたりします。
フィールドに落ちているレンガや瓶などを、建物の窓ガラスに投げつけることで、窓から侵入して進路を切り開いていくステージもあります。
オープンワールドではないので、ちょっとした障害物や、フェンス、倒木、壁は乗り越えることはできませんが、登れるところはゲーマーの直感で「ここはいけるな」と何となく分かります。
馬に乗っていないと乗り越えられない段差なども存在しています。
ギターのミニゲーム
本作にはギターのミニゲームがあります。
私は音楽には疎いので詳しくは分かりませんが、自由に色んな曲が弾けそうな様子でした。
ストーリーのムービーシーンの途中でも、エリーがギターを手にすると、ギターを操作できるようになり、操作パートでもギターを拾って演奏できるようになります。
その他にも、ストーリー中ではエリーと子供たちが雪合戦をするミニゲームもあります。
持ち物を見るときはリュックを下ろす
エリーが持ち物(アイテム)を確認したり、自分のスキルを強化する際には、ちゃんとリュックを背中から降ろして、リュックを開きます。
この動作はどんな場所にいても必ず行います。
ちなみにラストオブアス2ではトレーディングカードというものを集めることができます。
ゲームを進めていると、カード一枚一枚にラストオブアス2オリジナルのヒーローのキャラクターのイラストや設定が書かれています。
キャラクターの設定やイラストも凝っているので、ポケモンカードや遊戯王カードのように、ゲームを続けるうちに徐々に「コレクションしたい!」という欲求が湧いてきます。
地図を開く
一部のフィールドだけ、フィールド上の全体図が見れるマップがあります。
マップはストーリー上で入手することができ、マップは暗転してから別画面になるのではなく、エリーが紙のマップを取り出して開くので、没入感が損なわれません。
マップ上に探索ポイント(探索といってもアイテムや弾薬を集めること)をエリーがチェックしてくれるので、そこに向かうことになります。
フィールド上をウロウロしていると、エリーが勝手にマップを開いて探索ポイントにマーカーペンでしるしをつけてくれます。
ちなみに、しるしをマップにつけるときも、エリーが実際にマップにペンで「〇」を書いている様子まで見ることができます(細かい!)。
フォトモード
フォトモードはゲームが開始して、キャラクターを自由に動かせるようになってから、すぐにオプションボタンからできるようになります。
フォトモードではキャラクター(エリーやジョエルなど)を消したりといった編集をすることができますが、フォトモード中に操作キャラクターには余り近づくことができません。
ちなみに戦闘中でもフォトモードにできるので、臨場感のある写真を撮ることができます。
バグ
バグとしては、登れないところにジャンプしてみたときに、エリーが固まってエリーの操作が効かなくなる時が一度ありましたが、オプションボタンからの「チェックポイントからやり直す」を押したら無事に復帰できました。
個性豊かなキャラクター
様々な人種のキャラクター
本作には、インド系の女性キャラクターから、アジア系のキャラクターまで様々な人種のキャラクターが多くいることが好印象です。
黒人や白人ばかりが登場するゲームがほとんどの中、アジア人が登場するゲームは珍しいように感じます。
しかも本作に登場するアジア人のキャラクターは普通にかっこいいです。
キャラクターの操作性
少し慣性がある動きをしますがレスポンスがいいので、ストレスは感じません。
「走り」が他のゲームと違ってL1ボタンなのが特徴的です(すぐに慣れます)。
フィールドを移動するときには、ロープを登ったりすることもできます。
馬に乗ることができるのはステージにより、プレイヤーはいつでも自由に馬を呼び出すことはできません。
馬の動きはかなりリアルで、メタルギアソリッドVやアサシンクリードの馬のようにカクカクとした動きはせず、なめらかで生きているような動きをします。
キャラクターの感情表現
ムービーシーンのキャラクターの手の震えによる恐怖、腕の震えによる怒りの感情表現は、他のゲームでは見たことがない。
また、光や景色によってエリーの感情を表現していたり、部屋の赤黒い色によって不気味な雰囲気を表現したりしている。
細かい所まで表現しているグラフィック
アンチャーテッド4からの進化
本作のグラフィックは「アンチャーテッド4から劇的に進化した」という印象は受けませんでしたが、地面に生えている草の量やマップ上の小物の多さが若干増えた印象を受けました。
本作ラストオブアス2は、PS4最高峰のグラフィックであるが、逆に言うとこれがPS4の限界かなという気もする。
例えば、一つのマップにあるオブジェクトの個数などには限界があると感じる。
キャラクターのグラフィック
ジョエルに関しては顔のシワがかなりリアルで、腕は「鍛え上げられたおじさんの手」であることが一目瞭然で分かります。
ジョエルの腕に関しては浮き上がった血管や腕毛、はめている腕時計の文字盤といったところまで、細かく作り込まれています。
また、キャラクターは髪の毛一本一本まで丁寧に作られています。
キャラクターの表情に関しては、ムービーシーン以外の操作パートでも、キャラクターの表情がこれまでのどのゲームとりも活発に変化します。
操作パートで攻撃中も表情が変化しており、例えばエリーが敵をナイフで刺すときには、首筋に血管が浮き出そうなほど、歯を「グッ」と食いしばる表情が見て取れます。
キャラクターの顔に近づくムービーシーンでは、かなり微細な目や表情筋の動き、頬の微動まで表現されていることからキャラクターの感情が伝わってきて、ムービーも退屈することはありません。
これらによりプレイヤーは物語に一気に引き込まれ、映画を見ているような、いや、まるでプレイヤーの真横でエリーやジョエルが会話をしているかのような臨場感を感じます。
サウンド
臨場感といえば、本作の「音」にも注目です。
銃弾、一発一発の音が大きめなので、銃弾一発の「重み」がリアルに表現されており、遊んでいて臨場感が伝わってきます。
私は銃の類に関しては詳しくないですが、「バシュッ、バシュッ」といった銃やライフルの発射音や「ガチャコン、ガチャガチャ」といったリロードの音などにもこだわりを感じました。
自然やオブジェクトのグラフィック
ラストオブアス2では太陽からの光が、木々の間を通って光線が差し込んでくる様子が美しく描かれていたり、草木に覆われたビル群がある都会は美し過ぎます。
初めてシアトルによって来たときは、その美しさに感動すること間違いなしです。
また、鏡にはちゃんとキャラクターの姿が反射しており、テレビの液晶画面にはぼんやりとしたエリーの輪郭が見え、リアリティーを追及していることが分かります。
雪が積もっているところを歩くと、足跡がちゃんと残ります。
水面に氷が張っているところは、馬が通ったところだけ氷が割れるなど、細かなところの物理表現も素晴らしいです。
また薄暗い部屋に胞子が舞っているいるステージがあり、ライトをつけると細かな胞子が一つ一つがキラキラ舞っている様子が見て取れます。
その他にも金庫のダイヤルの目までもしっかりと作り込まれています。
フィールドが雨の時は、なんとも言葉では表現しにくいのですが、ビルの看板から雨が滴る様子や、「湿った空気感」が画面越しで伝わってきます。
ストーリー上で訪れる「恐竜博物館」にある恐竜の展示の再現度は素晴らしく、本当に博物館にやってきたような気分になれます。
生存をかけた血の争いアクションについて
仲間に銃口を向けると、エリーは自然と銃を下ろすので、味方を攻撃することはできません。
聞き耳を立てて周囲の敵を把握できる
ラストオブアス2では、ウィッチャーやアサシンクリードの鷹の目のように、「聞き耳」を立てることでプレイヤーの周りにいるゾンビの居場所が白い輪郭として認識できるようになります。
ただこの「聞き耳」では敵の位置しか把握することはできず、アイテムの場所を把握することはできず、アイテムの場所は近くまで近寄ってアイコンが出るまでは分からないのは不便す。
戦闘アクション
戦闘中にはQTEがあり、ゾンビに掴まれた際には□ボタンを連打することで、ゾンビから逃れることができます。
重火器(武器)はストーリーを進めていくうちに種類を増やしていくことができ、フィールド上に時折現れる作業台で武器を強化することができます。
武器の強化には、フィールド上に降りているアイテムを集めて作業台に持っていくことで、強化できます。
本作から「緊急回避」ができるようになり、これが非常に便利です。
一方で、同じく本作から追加された「ほふく」は、あまり意味があるようには思えず、べつに「ほふく」は使わなくても攻略できるように感じました。
武器
弾薬はフィールド上から回収することができますが、ゲームの難易度が高いと余り落ちていません。
エリーはストーリーを進めるにつれて、弓矢やショットガン、スナイパーライフルといった武器を入手できます。
斧や野球バット、マチェットなどの近接武器は、敵が落としたものを拾って使うことが出いますが、しばらく使っていると壊れてしまいます(アイテムで強化はできる)。
そのような近接武器が壊れてしまっても、ナイフは常に持っているので、近接攻撃ができなくなることはありません。
残酷なストーリーについて
ネット上でも言われている通り、本作のストーリーは賛否両論だと思います。
結論から言うと、ハッピーエンドではなく、バッドエンドで、誰一人として報われません。
しかし本作のテーマである「復讐」、それがもたらすものとは何なのかと考えさせられるゲームです。
「ゲームは現実逃避のためにしたいから、ハッピーエンドがいい!」という方にはお勧めできませんが、「濃厚で、考えさせられ、人間の醜さも含まれるリアルな心情表現のあるストーリー」が好みの方には刺さりまくるストーリーです。
しかし、何度も言いますが、とにかく報われない、とにかく救われないストーリーなので、クリア後は「後味が悪い」です。
テンポが悪い
個人的には、中盤までのストーリーのテンポは悪いように感じました。
ストーリー上、序盤にかなり衝撃的なイベントが起きるのですが、重要イベントが起きるのはポツポツで、ほとんどは敵の情報や居場所を探すためにシアトルをブラブラするだけでした。
銃弾の補充や、武器の強化、エリーの能力を上げるためには、「探索」をしてそれらに必要な「マップに落ちているアイテム」を回収していく必要があり正直面倒です。
この「探索」も単調なので、テンポが悪い原因の一つになっています。
ストーリーがとにかくショッキング
テンポが悪いストーリーですが、ショッキングがイベントがポツポツ起きます。
ここでいう「ショッキング」というのは、「とにかく人がよく死ぬ」という意味で、味方も敵の重要人物もどんどん死にます。
しかも、その死に方は全く英雄的でも、感動的でもなく、「ただただ辛いだけ」です。
操作キャラクターと共に一緒にいる仲間が、あっさり脳天を撃ち抜かれて死にます。
それは「突然すぎる死」で、感動的ではなく、とにかくショッキング。
このことからも分かるように、本作はバッドエンドです。
少しぐらいは救われるところもあるだろうと、終盤クリア前までは思っていましたが、一切救われることはなく、「ただただ、たくさんのものを失っただけ」。
しかしこれらは本作のテーマである「復讐の果てにあるものは何か」というストーリーを支える演出です。
ラストオブアス1と2の間のストーリーもある
ラストオブアス1から2の間のストーリーも、エリーの回想として、エリーを操作しながら体験します。
それによって、1を遊んだことがないプレイヤーでも、エリーとジョエルの関係性や、新キャラクターの深堀りができているように感じました。