2020年9月25日に発売した『マフィア コンプリート・エディション』は、海外では2004年にPlayStation®2で登場した初代『マフィア』のリメイク版です。
- マフィアコンプリートエディションのクリア時間
- 街並みや車、キャラクターのグラフィックの良さ(リアルさ)
- 車の運転やアクションの面白さ
『マフィア コンプリート・エディション』の感想・評価まとめ
この記事では、『マフィア コンプリート・エディション』の感想・評価をまとめました。
- ストーリーは9時間でクリアでき、やり込むと20時間ほど
- 街並みや車、キャラクターのグラフィックがリアルすぎる
- ゴッドファーザーやスカーフェイスが好きな人は絶対ハマるストーリー
- 銃撃戦は少しもっさり
- 車の運転は非常に難しい
期待しすぎはNGなゲームですが、低価格なことを踏まえると、非常にコスパのいいゲームになっていると思います。
「トリロジーパック」と「コンプリートエディション」の違い
『マフィア トリロジーパック』の中に、『マフィア』シリーズの以下の三作品が収録されています。
- 『マフィア コンプリート・エディション』 ……初代マフィア1の完全リメイク作品。
- 『マフィアIIコンプリート エディション 』……PS3などで発売したマフィア2のHDリマスター版(追加ストーリーやDLCを収録)。
- 『マフィアIIIコンプリート エディション』 ……PS4で発売しているマフィア3の完全版(追加コンテンツなどが付属)
『マフィア トリロジーパック』は3作品も楽しめるお得なセットなので、『マフィア』の世界にどっぷり浸りたい方は、『マフィア トリロジーパック』がおすすめです。
『マフィア コンプリート・エディション』は、1930年代のアメリカ イリノイ州ロスト・ヘブンの街を舞台とした、マフィアの主人公目線で描かれるクライムアクションゲームです。
『マフィア コンプリート・エディション』のクリア時間
マフィア コンプリート・エディションは、シングルプレイのみであり、7時間から9時間ほどでクリアできます。
全てのコレクション収集を行ってもも、クリア時間は20時間ほどです。
チャプターセレクトORフリーモード
人の表情や車の金属感まで、リアルに進化したグラフィック
ゲーム内の照明や反射の描画は非常にリアルで、車体にキズが付いた時の表現などはクオリティの高さに驚かされます。
夜や雨天時の雰囲気が素晴らしい
原作からキャラクターモデルが一新
まず、非常に大きな変化として、キャラクターモデルが完全に新しくなりました。
リアルなキャラクターの動きだけでなく、声優の演技が一流であり、演技がオリジナル版と全く比較にならないほど向上しています。
驚くほど細密に描写された登場人物の表情によって、物語により引き込まれてしまいます。
スーツのデザインもリアルすぎる
スーツやコートといった衣装のデザインがカッコイイだけでなく、スーツにできるリアルな「シワ感」や「ふんわり感」まで細かく作られています。
や見事な光の反射、単純な帽子の生地からアンティークカーに特徴的な手作業での金属加工による表面のきらめきの質感に至るまで、
美しい「ロスト・ヘヴン」の街並み
マフィア コンプリートエディションの舞台となる「ロスト・ヘヴン」の街並みは、グラフィックスの技術的な進化により美しく生まれ変わっています。
夜間における光の描写も秀麗で、特に街のネオンサインや夜霧に拡散するブレーキランプなど必見です。
トランペットから銃声まで最高のサウンド体験
マフィアコンプリートエディションはグラフィックだけでなく、サウンドもかなり進化しています。
- 足音
- 衣擦れ
- ドアの音
- トミーガン(トンプソン サブマシンガン)の轟く銃声
- 年代物の細いタイヤがあげる甲高いブレーキ音
といった効果音は、ゲームの臨場感を高めています。
効果音だけでなく、音楽も素晴らしいです。
- 初代『マフィア』にインスパイアされたオリジナル楽曲
- ラジオから流れるルイ・アームストロングの魂のこもったトランペットの調べ
- デューク・エリントンの楽曲
- オーケストラBGM
など、非の打ち所がない。
サウンド面の進化が、マフィアコンプリートエディションの世界へ、ますます引きませてくれます。
マフィア映画のような重厚なストーリー
ストーリーに関しては、全体的な進行やシナリオはオリジナルを忠実に踏襲しているが、シーンごとの細かな描写や台詞、演出、構成は作り直しと言えるほど大きく様変わりしています。
吹き替えがない点(日本語字幕はある)は、購入前に注意が必要です。
オリジナル版の悪いところは改善された
オリジナルで見受けられた「説明的すぎるセリフ」や「冗長な表現」が大幅に省略されています。
マフィアコンプリートエディションでは、「現実的な台詞」や「ストーリーテリングに重きを置く描写」が可能となりました。
キャラクターの心理描写が掘り下げられた
これにより、オリジナルと同じ内容のシーンであっても、マフィアコンプリートエディションでは、キャラクター毎の人物像や関係性、心理描写がより深く豊かに掘り下げられています。
以前はあまり目立たなかったサブキャラクター達が前面に押し出されることにより、さらに活き活きとした物語に没入することが出来ます。
物語を進めるストーリーモードと街中を自由に歩けるフリーモードがあります。
マフィアの世界に入り込むストーリー
ゲームは、主人公のトミーが刑事に過去を語るところから始まります。自身の過去を告白することで、追体験するような流れ。
トミーの過去とは、タクシードライバーだったトミーが成り行きでマフィアになり、数々の犯罪を重ね、最終的にファミリーを抜けるまでの話です。
ストーリーも分かり易くて映画を観ているようで引き込まれます。
ややボリュームは少なめですが、価格が安いので妥当かと思います。
1930年代アメリカの世界観
マフィアコンプリートエディションの世界観には引き込まれます。
古き良きアメリカの街並みをレトロな車で走り抜けるのは、1930年代のアメリカにいるように錯覚させられます。
- 禁酒法時代を満喫できる
- 作りこまれた1930年代のアメリカの街並みをドライブできる
禁酒法時代とは
禁酒法とは1920年にアメリカで施行された法律。ウイスキー、ワインビールを含めたアルコール飲料全般について、その製造や販売、輸送、輸出入を禁止するものです。
1920年頃は第一次世界大戦が終了した直後で、アメリカ経済は繁栄の真っ只中であり、ウイスキーなどの酒類の需要も活発な中での施行でした。
お酒の莫大な需要に目をつけたのが、近隣のギャングたちでした。酒の密輸はギャングたちが活動を地元の一地域に限定して組織的に行われることになります。
しかし、その後それぞれが勢力の拡大をもくろみ始め、対立と紛争が生まれ、結果として銃撃や爆破、殺人などの暴力沙汰が頻繁に起きるようになっていまいました。
当時活躍したギャングの「アル・カポネ」という人物をご存知でしょうか?
イタリア生まれのマフィアで、密造酒で多額の利益をあげたことで知られており、往年の大人気映画「ゴッド・ファーザー」や1987年の映画「アンタッチャブル」にもモデルとなる人物が登場しています。
ロスト・ヘヴンとは
架空の都市ロスト・ヘヴンを舞台にした本作では、禁酒法廃止の年を含めた1930年代全般が描かれる。
ロスト・ヘヴンは、ギャング全盛期に組織犯罪の中心地の1つだったシカゴをモデルにして精巧に作り上げられた都市だ。
2002年のオリジナル版冒頭にもあったロスト・ヘヴンをざっと紹介するツアーは本作でも素晴らしく忠実に再現されており、ツアーが終わると物語はすぐに本題である20のミッションへと進んでいく。
AAAタイトル オープンワールドゲームを期待するのはNG
マフィアコンプリートエディションはグラフィックが美しすぎるが故に、AAAタイトルのような大ボリュームのゲームかと勘違いされる人もいますが、そうではありません。
期待しすぎはNGということで、マフィアコンプリートエディションには期待してはいけないことをここから解説します。
建物に入ることはできない
基本的には店や建物に入ることはできず、弾丸や武器など買ったり出来ないので入れる店はありません。
移動していても一般人が助けを求めていたり、犯罪に巻き込まれていることこともなし。好き勝手にビルにも入れません。警察に見張られているだけ
ファストトラベルはないが、支障はない
またマフィアコンプリートエディションには、ファストトラベルはありません。
オープンワールドゲームのように、自由にマップ上のクエストを受けていくゲームスタイルではなく、ストーリー主導型のリニアなアクションゲームとなっています。
そのため、ファストトラベルがないことでストレスが溜まることはありません。
難易度
難易度はいつでも変更できるが、基本的に高めでありすぐ死にます。
このリメイク版には、原作の高難易度を意識した「クラシックモード」が用意されています。
「クラシックモード」では、体感的に原作より少し易しいくらいの難易度になっているので、気を抜くと倒される緊張感だったり、銃撃戦での息が詰まるようなスリルだったりが楽しめる。
「クラシックモード」におけるレースの難易度が異常に高いです。
シュミレーションのようにリアルな難易度
クラシックモードでは敵はより狡猾で、救急箱による回復量は少なくなるうえに、全弾を使い切る前にリロードを行うとマガジン内の残弾は失われてしまう。
通常の難易度はここまで苛烈でもリアル志向でもないものの、シミュレーションゲームのようなこうした厳しい設定を任意でオンにすることもできる。
異常に厳しく交通ルールが取り締まられる
警察がスピード違反をはじめとする交通ルール違反をGTAのようなゲームではあり得ない厳しさで取り締まる犯罪システムも含まれている。
ちょっとした交通違反でも警官に車を止められ、(本作にはプレイヤーが集めたり使ったりできる通貨は存在しないが演出として)罰金を取られます。
このような異常に厳しい交通ルール規制は、見逃してもらうように設定を変えることもできます。
キャラクターの着せ替えはできる
主人公は衣装を変えることができますが、5種類くらいしか外見を変えることはできません。
アクション
射撃時のカバーアクションの動きはもっさりしており爽快感に欠け、近接戦闘に至ってはアクションの種類が乏しいため非常に単調に感じられます。
ゲームプレイ面は『マフィア3』がベースになっています。
最初から所持している銃がチャプターごとに異なる場合が大半。
銃
武器が少ない。
弾丸を購入する店舗とかないので敵を倒して拾うしかない。
投擲は火炎瓶と手榴弾のみだが、火炎瓶もチャプターによって拾うことができます。
・銃撃戦がもっさりとしている
・銃器、武器の種類が少ない
本作だけのクラシックカーで大暴れ
ストーリー中にドライブする時は、物語に関係していない部分はスキップ可能です(メニューから選択できる)。
車の運転の操作性は難しいですが、他のゲームでは絶対に乗ることができないクラシックカーに乗って大暴れできるゲームはマフィアコンプリートエディションしかないと思います。
意外と多いやり込み要素
- 全5種類の隠し車両を見つける
- ガレージに車を集める
- 大衆雑誌集め(4種類x20冊=形80冊)
- コミックス集め(全10冊)
- たばこcard集め(全22種類)
- ミステリーフォックス集め(合計50個)
【結論】期待しすぎはNGだが気軽に遊べる良ゲー
上記のように、AAAタイトルにあるものをマフィアコンプリートエディションに求めるのは良くないが、グラフィックや重厚なストーリー、世界観など本作の魅力は目を見張るものがある。
日本では影の薄いゲームに感じるが、
- スカーフェイス
- ゴッドファーザー
といったマフィア映画が好きな人は、絶対気に入るゲームになると思います。
また、物語がミッションごとに区切られているので、忙しい人や、少しずつ遊びたい人でも、チビチビ遊べばすぐクリアできるゲームになっています。